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地震や火災等の災害用備蓄品や非常持ち出し品の準備に

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災害時に頼りになるのは電気かガスか?なるほどザ・備蓄

一般家庭で使われているエネルギーの主力は電気、そしてガス(主に都市ガス)です。
災害後の生活を考えた場合、この二つのエネルギーにどの程度頼ることができるかを考えておくことはとても重要です。
本サイトの大地震が起きた場合の想定では電気の供給がストップしてから復旧するまでの期間は約5日間、ガスのそれは2ヶ月としておりますので、防災面を考えると今後はオール電化住宅を推進して行くのが賢明のように思われますが、果たしてそう簡単に決めてしまってよいのか、ここでもう一度考えて見たいと思います。

ストック型エネルギーも良さそうだが

電気と都市ガス、どちらも供給元から各家庭に(文字通りライフラインとして)引き込まれているわけで、災害時にこの引き込みラインがストップするというリスクがあります。
それに比べて、引き込まれていないエネルギー、つまり常時ストックして使用されている石油やLPガスは(ストックされている量にもよりますが))しばらくは安定して利用できるというアドバンテージがあります。
しかし、ライフラインが絶たれるほどの地震があった場合に石油タンクやLPガスボンベそのもの或いは接続部が無事に済むかどうかという心配もありますし、現在この二つがあまり利用されていない原因(価格や入手性や扱いやすさ等)を考えると、こと災害用ということで選ぶには無理があるようです。

供給がストップする確率は電気よりも都市ガスが低い

そこで、やはり電気が良いのかガスが良いのかという問題に戻ります。
ただ、オール電化住宅があるのに対してオールガス住宅というものがないように、ガスは電気の領分をすべてカバーすることはできませんから、電気ガスの二者択一ということではなく、「オール電化住宅」と「電気ガス併用住宅」の比較ということになりますが。

先程述べたように、供給がストップしたあとの復旧の速さで言えばまちがいなく電気がすぐれています。都市ガスの配管が地中に埋められていることが復旧の妨げになっているわけですが、実はこの地中配管故に地震以外の災害については被害を受けにくいことも事実です。
停電は、台風や落雷などの異常気象や火災や交通事故などでも割と頻繁に起こりえますが、ガスは地震や土砂災害等で地下部分に影響が及ぶ場合だけにほとんど限られます。ここに停電とガス断(ガス供給がストップすること)が起こる頻度を詳しく比較できるデータが無いのは残念ですが、確率的には1/2から1/5ぐらいなのではないでしょうか。
となると、災害対策をメインに考えれば「電気ガス併用」を選択することも当然有りということになるでしょう。

「困ることはなにか」という見方

復旧期間では電気、被災確率ではガス、という見方以外に別な面でも考えてみたいと思います。
それは、それがストップしたときになにが困るのかということです。
分かりやすいように、それを表にしてみましたので下図をご覧ください。
起こる確率(想定頻度)は適当に決めましたが、実際はもっと低いと思います。 オール電化住宅と電気ガス併用住宅の災害時比較
この表をみてみると、起こる頻度の高い停電について「オール電化住宅」の無力さがよく判ります。
それに比べると、「電気ガス併用住宅」は災害リスクを分散していることがよく判ります。
ただし、注記しているように、ガス給湯器や暖房機がメインエネルギーはガスであっても制御用に電気を使っていることから100V出力のあるポータブル電源を備えていることが前提となりますのでご注意ください。

将来的には「太陽光発電+蓄電池」を利用したオール電化住宅が防災面で有望

さて、電気に比べて災害用としては劣るかもと思われるガスですが、いろいろ考えてみると「電気ガス併用住宅」の選択肢も決して否定できないものがあります。
ただし、電気はガスの領分(受け持っている仕事の範囲)をすべて置き換えることができることから、災害時にライフラインがストップしても自家発電が可能なオール電化住宅があれば一番頼りがいがある存在となるのは間違いないでしょう。

太陽光発電のオール電化住宅

それなら今でも太陽光発電パネルを載せたオール電化住宅があるのではと言われるかもしれませんが、そのタイプの殆どは電力会社からの引き込み線を介した系統連系タイプであり、いざ停電となった場合に自立運転に切り替えることによって、発電可能な日中に限り、最大1500W程度を一つのコンセントから利用できるに過ぎません。つまり夜間はなにも使えないし、日中でも使える器具は制限されることになります。各部屋のエアコンをつけることも勿論できませんし、エコキュートなどの給湯器やIHクッカーなどへの給電も一つのコンセントから長いコードで引き回す必要がありますから現実的ではありません。

やはり必要なのは、太陽光パネルで発電した電力を蓄電しながら消費できるスタンドアローン型のシステムになります。勿論現在でも技術的にできないことではないので、一部の業者やハウスメーカーなどが手掛け始めていますが、蓄電池の容量や価格が実用的なものにまでなっていないので普及しづらいのが現状です。しかし、こと災害を考えた場合は間違いなくその方法に進むべきですし、多分そうなることは間違いないでしょう。


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本サイトの災害写真の出展は「消防科学総合センターの災害写真データベース」によるものです



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