本文へスキップ

地震や火災等の災害用備蓄品や非常持ち出し品の準備に

災害備蓄Tips(お役立ち情報) 広告上区切り線 広告下区切り線

災害備蓄品としてのお酒について

災害備蓄品としてのお酒について1 災害備蓄の一般的優先度においてはかなり下位に位置する「お酒」ですが、世の中には「酒の備蓄はしているが災害備蓄などはトンと考えてない」という人もいらっしゃるようです。
そんなお酒好きの方の言い訳になるかどうかは別にして、災害時のお酒にについて一度考えて見たいと思います。
さて、お酒は災害時にどのようなメリットがあるのでしょうか。そしてどんな点に注意しなくてはならないのでしょうか。

水分補給

災害時の水分補給用としてミネラルウォーターや炭酸水などのペットボトル備蓄が有効なのは誰もが知っていることですが、それに加えて缶ビールも水分補給に役立てようと考えたいのが愛飲家の気持ちだろうと思います。 
しかし、アルコールには強い利尿作用があるのでこれは逆効果。
飲んだ量以上の水分が体から出ていくと言われています。これはお酒を飲んだ後は喉が渇くことからも経験的に知られていますね。 ですから、被災後生活でお酒を飲みたい場合は、それと同量以上の水の備蓄が大前提となりますので、くれぐれもご注意ください。

災害備蓄品としてのお酒について2

エネルギー補給

アルコールはかなり高いカロリーを持っていますので、エネルギー補給用としての利用価値はあります。
ただし、ガソリンだけで動く自動車と違って、人間は他の栄養素とカロリーをバランス良く摂取することで活動できるわけですので、非常食を備蓄する代わりにアルコールを備蓄するなどという考えは論外です。あくまでも食料から摂取するカロリーの補助として扱うべきものです。 では、お酒のカロリーとはどれほどのものなのでしょう。

日本酒1合(180ml)----170kcal
焼酎(25度)1合(180ml)----250kcal
ワイン1合(180ml)-----125kcal
缶ビール一本:350ml----145kcal
ウイスキー(43度)水割りダブル:60ml----145kcal
ブランデー(37度)ダブル:60ml----124kcal

成人男性が一日に必要とするカロリーは約2,000kcalと言われていますから、非常時なら最低1,000kcalあれば良しとしましょう。その補助としてなら日本酒一合程度が適当なのではないでしょうか。

災害備蓄品としてのお酒について2

寒さ対策

災害時の暖房をどうするかについては、当サイトでも「あったかアイテム」などでいろいろ紹介していますが、中々難しい問題です。
でも、お酒が体を温めてくれるのは経験的に誰もが納得できることでしょう。寒くてなかなか寝付けないような夜は、お酒を軽く一杯ひっかけて温かい布団にくるまって寝るに越したことはありません。

ストレス解消

実はこれが「災害備蓄品としてのお酒」の効用では一番のものかもしれません。
平時でさえストレス社会と言われているのに、そこに災害という巨大なストレスが足されるのですから、心が折れそうになるのも仕方ありません。
アルコールは脳の興奮や体の緊張を和らげ、素早くストレスを解消してくれる効果がありますが、これも経験的に多くの方がご存知なことだと思います。
ただし、問題は飲みすぎるとそれに依存してしまうようになることです。アルコール依存症になった人の多くはストレスを抱えてお酒に逃避した人でした。実際に災害後のストレスからお酒にはまり込んで依存症になった方が過去の大地震などでは多く見られたようです。
やはり日本酒なら一合程度がストレス解消のためにも適量なのでは無いでしょうか。

非常用消毒液

時代劇などを見ていると刀傷の治療などで焼酎を消毒に使っている場面がよくありますが、最近まで焼酎をその目的で利用していたのは事実です。
最近は、消毒に効果の有るのはアルコール度数80近辺のものだけであって、25度や35度程度の焼酎は殆ど効果が無いと言われています。実際、焼酎などに頼らなくても薬局などに行けば消毒薬は簡単に手に入りますので、その出番も無くなりました。
しかし、災害時で身近に消毒剤がないとなると事情は変わります。本当に消毒が必要なのに消毒薬が無いようなら、なるべく度数の高いお酒で代用するのは仕方がないことですね。

災害備蓄品としてのお酒について4
(残念ながら専門外なので25度や35度の焼酎や45度のウイスキー等の消毒効果について確たるデータを示すことが出来ません。そんなデータが無いのか探して見ましたが見つかりませんでした。しかし、本当になんの効果も無いわけではないでしょう。長い間焼酎を消毒用途に使っていたのは、きっとある程度の効果があったからに違いないと思うのです。)

避難所に持ち込まない

当然のことながら、お酒を備蓄しておいたにしても避難所に持ち込むのは止めたほうが良いでしょう。
本人は適度な量を保って人に迷惑がかからないようにしていたとしても、アルコールの臭いに敏感な人もいるでしょうし、避難先で飲酒するのは非常識であると思っている方が大部分なのですから。
不要なトラブルを起こして、却ってストレスを増加させるのは馬鹿らしいですからね。

飲みすぎ注意

飲み過ぎが健康に悪いのは当然として、被災生活では何が起こるかわかりませんので、適量以上に飲まないように注意しなくてはなりません。
大地震の後などは余震も頻繁に発生しますし、火災や風水害でも突然別な場所に非難することになるかもしれません。いつでも非常時の行動がとれるように体の方も準備しておく必要があります。

災害備蓄品としてのお酒について5

賞味期限(保存期間)と保存方法

お酒の種類やパッケージングによって、保存期間や保存方法にも注意する必要があります。
缶ビールや日本酒(瓶詰め、紙パック共)は製造時期から約1年を保存期間と考えておいたほうが良いので、これこそローリングストック(循環備蓄)で、日常の消費に加えて少し多めに購入しておき古いものから順番に飲んで行くようにしましょう。
焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は開栓してなければ特に保存期間を気にする必要はないでしょうが、瓶入りの物は地震などで割れると後に臭いが残って始末に困ります。 最近はペットボトル入りも販売されていますが、保存に関していえば瓶入りの方が優れていますので、長期保存を図るのなら落下したり倒れたり割れたりしないように工夫してストックしておきましょう。


初期消火の切り札・投げる消化器

トップに戻るボタン

本サイトの災害写真の出展は「消防科学総合センターの災害写真データベース」によるものです



広告上の区切り線

ナビゲーション