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地震や火災等の災害用備蓄品や非常持ち出し品の準備に

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被災体験記 Disaster experience record

暗闇と静寂による不安

田中 清己

2011年の「東北大震災」発生時、自分の家には直接的な被害はなかったものの「計画停電地域」に指定されたため、一日に数時間は電気のない生活を送りました。たった数時間の停電でしたが、普段の生活において電気がどれだけ大切なものか身をもって痛感しました。

停電時、一番困ったのは「照明」がないことでした。
停電時の暗闇は、一寸先も見えず歩くこともままならない状態でした。照明を消した時とは違い、電化製品のわずかなランプの光などもなく、また窓から街灯のあかりが差し込むこともないため、完全な暗闇状態。「数時間の停電ならどうにかなるだろう」と軽く考えていたため、恥ずかしながら我が家では防災グッズなどの備えを一切しておらず、懐中電灯などもありませんでした。急遽テレビでみたキッチンペーパーとサラダ油を使ったろうそくを作り、灯り代わりにしてなんとか一夜を過ごしました。
翌日、懐中電灯を購入しようとすぐに家電ショップを向かいましたが当然のように売り切れ。ネットの通販では定価の数倍で取引されている上にすぐには手に入らないものですから本当に困ってしまいました。
そのような体験から、現在我が家では懐中電灯を三つ常備しています。一人で行動する場合などを考え、災害用備蓄品としては一人一本は必ず常備しておくことが大切だと思います。

もう一つ備えが必要だと感じたのは「ラジオ」です。
電気がない状態では、家族の会話以外はまったくの静寂になります。時間の流れが遅く感じるとともに、「情報」が全くないことに対して徐々に不安を感じはじめます。そんなときラジオは貴重な情報源になりますが、ラジオは情報を与えてくれるだけでなく「音があること」、ただそれだけで安心を感じさせてくれました。音のない環境は、テレビやネットが当然にある環境に慣れすぎた自分にとって精神的負担がとても大きかったのですが、ラジオはそれを大きく軽減してくれました。

災害用備蓄品といえば「食べ物」「水」など中心で、「ラジオ」や「懐中電灯」などは軽視される傾向があるように感じます。「暗闇」「静寂」による不安感を解消するための備えも、「食事」と同等に大事なことだと思います。

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